「道明寺粉」とは?もち米との違い、使い方、代用方法などをくわしく解説
「道明寺粉」とは蒸したもち米を乾燥させてから粗く砕いたもので、米から作られた粉=米粉の一種です。
火を通すともちもち・つぶつぶとした食感になるのが特徴で、主に桜餅などに使用されます。
粉という名前ではあるものの見た目は割れたお米のような粒状で、小麦粉のような粉末ではありません。
この記事では
など、道明寺粉がどのような食材なのかをさらにくわしく解説して行きます。
道明寺粉の用途
道明寺粉の使い道といえば「桜餅」が定番ですがそれ以外にも
- 「おはぎ」
- 「霙羹(みぞれかん)」道明寺粉が入った寒天菓子
- 「椿餅(つばきもち)」道明寺生地であんこを包み、椿の葉ではさんだお菓子
- 「揚げ物の衣」
などにも使用されます。
霙羹とは寒天液に道明寺粉を加えて固めたもので、寒天の中にちりばめた道明寺粉がみぞれのように見えるお菓子です。「道明寺羹」とも呼ばれます。
椿餅は道明寺粉の生地であんこを包み、椿の葉ではさんだお菓子です。
お菓子以外では揚げ物の衣としても使用されます。
もち米との違い
「道明寺粉」と「もち米」は見た目や食感が似ていますが、以下の点などに違いがあります。
- 食感
- 風味
- 加熱時間
まずは食感。
道明寺粉はもち米より粒が細かいためつぶつぶとした舌触りが強く感じられ、ご飯やおこわとはまた違った食感が楽しめます。
続いて風味。
道明寺粉は乾物らしい独特の乾いた香りがわずかに感じられ、もち米とは風味が少し異なります。
好みにもよりますがこれは決して不快な香りではなく、道明寺粉ならではの味わいを生む要素のひとつとなっています。
また、道明寺粉は製造の過程で一度火を通しているため、もち米より短時間で火が通ります。
例えばもち米は蒸すのに1時間ほどかかりますが、道明寺粉は20分ほどで火が通ります。
道明寺粉の種類
製菓材料店などで売られている道明寺粉に「四ツ割り」や「五ツ割り」と書かれているのを見たことがありますか?
この「○ツ割り」というのは道明寺粉の粒の大きさを示しています。四ツ割なら一粒の1/4、五ツ割なら一粒の1/5の大きさという意味で、数字が大きいほど小粒の道明寺粉になります。
スーパーや製菓材料で手に入る道明寺粉は三ツ割り〜五ツ割くらいですが、オンラインショップ等では全粒(丸ごと一粒)、二ツ割り、六ツ割りなどを扱うお店もあるようです。
粒が大きいものほどお米のつぶ感が強く感じられ、小さなものほど細やかで繊細な舌触りに仕上がります。食感にこだわりがある方は、粒の大きさにも着目して道明寺粉を選んでみてはいかがでしょう。
道明寺粉の使い方
桜餅などのお菓子に使う場合、道明寺粉は水を加えて加熱してから使用します。
加熱方法は主に「電子レンジ」と「蒸し器」の2種類があり、家庭でのお菓子作りには手軽&時短な電子レンジがおすすめです。
ただし電子レンジでの調理には「食材の量が増えるほど加熱時間も長くなる」「火の通り方にむらができやすい」といったデメリットも存在します。そのため大量調理には蒸し器がおすすめです。
電子レンジを使った調理方法
- 耐熱容器に道明寺粉100g、水150~170gを入れて混ぜ合わせる。
- ふたやラップをして600Wで5分加熱する。
- 一度ふたを開けて中の蒸気を逃がし、再びふたをしてそのまま10分蒸らす。
- お好みで砂糖や塩適量を加えて混ぜ合わせる。
蒸し器を使った調理方法
- ボウルに道明寺粉100gを入れて沸騰したお湯150mlを注いで混ぜ合わせる。
- ふたやラップをして10分蒸らす。
- お好みで砂糖や塩適量を加えて混ぜ合わせる。
- 蒸し器の中に硬くしぼった濡れ布巾を広げ、3を入れて中火で20分蒸す。
道明寺粉の代用方法
桜餅などの一部の料理は、道明寺粉を「もち米」で代用できることもあります。
ただし「もち米との違い」の項目でもすこし述べたように、道明寺粉ともち米とでは調理方法や加熱時間が異なるので注意してください。もち米の調理方法はおはぎやおこわのレシピを参考にすると良いでしょう。
関連レシピ
同じ米粉の一種である白玉粉は、原料がもち米、見た目が粒状など、道明寺粉との共通点も多いですが「白玉粉」で道明寺粉を代用することはできません。
白玉粉は見た目の粒は大きいですが、実際は非常に細かい粒子が集まってできています。水と混ぜ合わせて加熱するとなめらかなおもち状になり、道明寺粉のようなつぶつぶとした食感にはなりません。