「ようかん」と「水ようかん」の違いとは?味や食感、成分、作り方について解説
「ようかん」と「水ようかん」はどちらもあんこや砂糖を寒天で固めたよく似たお菓子ですが、具体的には何が違うのでしょうか?材料・味・作り方などの違いを詳しく解説します。
ようかんと水ようかんの違い
ようかんと水ようかんの主な違いは水分の量と食感です。
ようかんよりも水を増やし、やわらかな食感に作ったものが「水ようかん」です。味わいはジューシーでみずみずしく、軽くさっぱりとしている傾向があります。
一方の「ようかん」は水ようかんよりも硬めで、あんこの味や甘さも強く、食感・味わい共に水ようかんと比べてしっかり濃厚です。糖度が高いため粘りも強く、歯ざわりがねっちり・ねっとりとしていることもあります。
ようかん | 水ようかん | |
特徴 | あんこ・砂糖の比率が高い | 水分が多い |
食感 | しっかり ねっとり・ねっちり |
やわらかい |
味わい | 濃厚 豆の味・甘みが強い |
さっぱり みずみずしい |
また、ようかんと水ようかんは作り方も少しだけ違います。
材料を煮溶かして冷やし固めるという基本的な流れは同じですが、水ようかんは材料が溶けたらすぐ、もしくはあまり煮詰めずに火を止めることが多いのに対し、ようかんはしばらく煮詰めて水分を飛ばすことが多いです。
また、固まる前の水ようかんの生地はとろみが弱く、すぐ型に流すとあんこの粒子が沈殿・分離するため、少し冷ましてとろみをつけてから型に流します。
材料や成分を比べてみた
では、実際にようかんと水ようかんはどれくらい水分量が違うのでしょうか?原材料や成分を比較してみました。
原材料の比較
まずは原材料を比較してみましょう。
「和菓子教本」に掲載されているレシピをもとに、ようかん・水ようかんの材料をグラフ化してみました。
ようかんの方は煮詰めることで水分が飛ぶため、最終的にはさらに水の比率が下がります。
このレシピではようかんには水あめ、水ようかんには本葛、塩※を加えています。また、寒天も異なる種類のものを使用しています。
微量なためグラフ上には表示されていません。
ようかんも水ようかんも、寒天、水、砂糖、あんこの4つの材料があれば作れますが、このレシピのようにそれぞれの特徴に合わせて材料を少し変えることも多いようです。
成分の比較
続いて、成分を比較してみましょう。
こちらは「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとにしたようかん・水ようかんの100g当たりの成分です。
ようかん | 水ようかん | |
エネルギー | 289 kcal | 168 kcal |
水分 | 26 g | 57 g |
たんぱく質 | 3.6 g | 2.6 g |
脂質 | 0.2 g | 0.2 g |
糖質 | 66.8 g | 37.7 g |
食塩相当量 | 0 g | 0.1 g |
成分を比較すると、水ようかんの方が水分が多いことが良くわかります。
また、あんこや砂糖の比率が高い分、エネルギーや糖質はようかんの方が高めです。
まとめ
- あんこと砂糖が多く、味も食感も濃厚なのが「ようかん」
- 水分が多く、やわらかくてさっぱりしているのが「水ようかん」
ただし、 今回紹介した違いはあくまで一例。細かい規定や基準があるわけではありません。
実際にようかんや水ようかんを買って食べてみると、粘りのない軽い食感のようかんや、少し硬めの水ようかんなど、中間的なものもあることが分かります。
お店やメーカーによって味わいは様々なので、色んなようかん・水ようかんを食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね。