「上新粉」と「白玉粉」の違いとは?代用は可能?
「上新粉」と「白玉粉」どちらもお団子などの和菓子作りに欠かせない食材ですが、具体的な違いはご存知ですか?
混同しやすい「上新粉」と「白玉粉」の詳しい違いと、代用方法についても解説します。
上新粉と白玉粉の違い
「原料」の違い
上新粉と白玉粉の一番の違いは原料です。
どちらもお米から作られた粉=米粉の一種ですが、使われている米の種類が少し異なります。
上新粉の原料は「うるち米」(読み:うるちまい)。
私たちが普段、ご飯として炊いて食べているのと同じ種類のお米です。
一方、白玉粉の原料は「もち米」。
おこわ、お赤飯、お餅などにして食べているお米で、うるち米よりも粘りが強くて食感がもちもちしているのが特徴です。
「作れるもの」の違い
原料が違う上新粉と白玉粉とでは、作れるお菓子も異なります。
上新粉は団子、草餅、すあまなどの材料になります。
白玉粉は白玉団子、大福、求肥(ぎゅうひ)などの材料になります。
「食感」の違い
団子をはじめとした「上新粉で作るお菓子」と、白玉団子をはじめとした「白玉粉で作るお菓子」とでは、食感の傾向も異なります。
弾力があってもちもちしている点はよく似ていますが、上新粉は白玉粉と比べるとコシが強く、歯切れの良い食感をしています。
一方の白玉粉は上新粉よりもちもちとした食感が強く、粘りも強いため引っ張るとよく伸びます。
また、白玉粉は上新粉より粒子が細かいため※、舌触りやのど越しがつるんとなめらかに仕上がります。
白玉粉は粒状なので分かりづらいが、粒子は上新粉よりも細かい。
ただし、上新粉も白玉粉もそれぞれ違った良さがあるため、どちらか一方の食感やのど越しが優れているというわけではありません。お菓子に合わせて使い分けるようにしましょう。
上新粉と白玉粉の違いまとめ
上新粉 | 白玉粉 | |
原料 | うるち米 | もち米 |
食感の特徴 | コシが強い 歯切れよい弾力 |
粘りともちもち感が強い なめらかなのど越し・舌触り |
用途 | だんご 草餅 すあま |
白玉 大福 求肥(ぎゅうひ) |
上新粉と白玉粉は互いに代用できる?
先述の通り上新粉と白玉粉は原料も食感も違うため、互いに代用しあうのは難しいでしょう。
たとえば、白玉粉の代わりに上新粉で「白玉団子」を作ろうとすると、うまく茹で上がらず粉っぽい仕上がりになってしまうことがあります。
また、上新粉を白玉粉に代えて「すあま」を作ると、「すあま」よりも「求肥」に近いものが出来上がります。上新粉のお菓子と白玉粉のお菓子は材料や作り方が似ているものも多いため、粉を代えると別の名前のお菓子になってしまうこともあるのです。
ただし、上新粉(または白玉粉)が数グラム足りない時にもう一方の粉で補うことはできます。
また、小麦粉の生地に少し米粉を混ぜる場合など、上新粉(または白玉粉)の使用量が粉類全体の5~10%以下くらいであれば代用可能な場合もあります※。
料理・お菓子によってはうまくいかないので、ご利用は自己責任でお願いします。
上新粉や白玉粉を代用するには?
もし「上新粉」や「白玉粉」を他の食材で代用するのであれば、上新粉なら「上用粉(薯蕷粉とも)」、白玉粉なら「もち粉」がおすすめです。
ただし、どちらの粉も代用元とは吸水率が異なることがあるので、水加減には注意しましょう。
上用粉とは ?
上用粉は上新粉と同じくうるち米から作られた、より粒子が細かい米粉です。
上用粉で作った団子は上新粉の団子よりも舌触りがなめらかなに仕上がります。
ただし上用粉は上新粉よりも取り扱うお店が少なく、価格も高いため代用品としての利便性は高くありません。実際には上用粉を上新粉で代用するシーンの方が多くなるでしょう。
もち粉とは?
もち粉は白玉粉と同じくもち米から作られた米粉で、見た目は白玉粉と違って粉末状です。白玉粉よりも粒子が粗く、もち米の風味が強いのが特徴です。
もち粉で作った白玉団子は舌触りは少しザラつき食感はやわらかめになりますが、米の香りは豊かになります。
白玉粉よりも取り扱うお店は少ないですが、価格は安いことが多いです。