野菜だしの取り方
野菜の出汁といえばヘタ・皮・種 などからとるベジブロスが有名ですが、まめな料理帖流の野菜だしは野菜の茹で汁をだしとして活用します。
だしと言われると本格的に聞こえますが、むずかしく考える必要はありません。
ポテトサラダ、 かぼちゃの和え物、大根の下ゆで……下ごしらえで出た野菜の茹で汁を、そのままだしに流用すればいいのです。
野菜の茹で汁には旨味と栄養が溶けていて、飲んでみると意外と甘いことに気がつきます。
この野菜だしの取り方を身につければ、今までは捨てていた”ただの水”が、大事な”調味料”に見えてくることでしょう。
野菜だしの取り方
材料
〇お好みの野菜 … 適量
〇水 … 適量
〇昆布(お好みで) … 適量
野菜は何種類か混ぜてもOK。
昆布を入れるかはお好みで良いですが、和食に使う場合は入れることをおすすめします。
野菜だしに向いている野菜
とうもろこし、かぼちゃ、キャベツ、白菜、大根、にんじん、さつまいも、じゃがいも、玉ねぎ、きのこ類
他のだしで薄めて使うと良い野菜
ごぼう、ブロッコリー、キャベツの外葉、かぼちゃのわた・皮、さつまいもの皮
不向きな野菜
小松菜やほうれん草などの青菜類
だしの取り方
ステップ1
鍋に適当な大きさに切った野菜、昆布、ひたひたの水を入れてふたをして煮る。
ステップ2
野菜に火が通ったらざるにあけ、茹で野菜とだしに分ける。
水の量は野菜の頭が出るくらい少なくするのがポイント。
うまみが凝縮されて味が濃くなります。
よりダシを濃くしたい場合は、水の量をさらに野菜の高さの半分くらいまで減らしましょう。
保存について
野菜だしは冷蔵で3日ほど、冷凍で1ヶ月以上の保存が可能です。
野菜だし応用テクニック
香味野菜で風味づけしよう
セロリ、にんにく、みょうが、三つ葉などの香りが強い「香味野菜」を使えば、野菜出汁にゆたかな風味を付け加えることができます。
これらの野菜は少量でも影響が強いので、単体ではなく他の野菜と組み合わせて使いましょう。
最初から香味野菜を加えて茹でる方法と、 後から風味を付け加える方法の2種類があります。
これらの出汁は個性も強いので料理の方向性が限られてきます。 みょうがなら和食、セロリなら洋食と、料理に合わせて香味野菜を使い分けましょう。
料理と香味野菜の組み合わせ例
和食:みょうが、三つ葉
洋食:セロリ、にんにく
中華:しょうが、ねぎ
野菜だしをもっと濃厚にしよう
野菜だしで何度もくり返し野菜を茹でれば、どんどん味を濃くすることができます。
2回目以降に茹でる野菜は1回目と同じもの・違うものどちらでも構いません。 色々な野菜を組み合わせた方がより複雑で深い味わいの出汁に仕上がります。
ただし、だしを取るごとに野菜のえぐみや苦味も少しずつ蓄積されていきます。繰り返す回数は味を見ながら加減しましょう。
茹で野菜の活用方法
温野菜サラダ
おすすめ野菜
キャベツ、にんじん、かぼちゃ、芋類、ブロッコリー、とうもろこし
茹で野菜をそのままお皿に盛り付け、お好みのドレッシングやマヨネーズをかける。
ポテトサラダ・かぼちゃサラダ
おすすめ野菜
じゃがいも、さつまいも、かぼちゃ
茹で野菜をフォークでつぶし、塩コショウとマヨネーズで和える。お好みでレーズンやナッツを加えても(さつまいも・かぼちゃの場合)。
胡麻和え
おすすめ野菜
キャベツ、かぼちゃ、ブロッコリー
茹で野菜をすりごま、しょうゆ、砂糖で和える。
ふろふき大根・ふろふきかぶ
おすすめ野菜
大根、かぶ
茹で野菜をだしごと煮立てて温め直し、練り味噌とお好みで柚子の皮をのせる。
だしとして使える意外な食材
野菜の茹で汁以外にもだしとして活用できる意外なものはいろいろあります。
その一部と、使い方やどんな料理に適しているかを紹介します。
大豆の茹で汁
大豆を茹でた時に出る茹で汁も出汁になります。
甘みとうまみが強いのが特徴で、クセが少ないので和洋中どんな料理にも利用できます。
味が濃いうえに泡立ちやすい性質なので、水またはだしで2~3倍に薄めて使いましょう。
大根のおろし汁
苦くて辛いイメージの大根のおろし汁ですが、実はとても強い甘みを持っていて出汁として利用することができます。
苦味や辛味は加熱すればいくらか飛ぶので、汁が辛くなる心配はありません。
しかし、入れすぎると苦味や大根の風味が目立つので、他のだしに少量混ぜて使うようにしましょう。
和食、特に味噌汁への利用がおすすめです。洋食や中華にも利用できますが、クセがあるので 料理によっては合わないこともあります。
切り干し大根の戻し汁
煮干し大根の戻し汁は強い甘みと旨みがあり、だしとして利用できます。
入れすぎると大根のクセや苦みが強くなるので、水やだしで2~3倍以上に薄めて使いましょう。
和食への利用が特におすすめです。