梅がしわしわにならない梅シロップの作り方を検証してみた

梅の実を砂糖に漬け込み、エキスを抽出して作る梅シロップ。

一般的な作り方では、梅から水分が抜けてしわしわになってしまうため、果肉を味わうとこはできません。

しかし、駄菓子の「すもも漬け」のようにふっくらつやつやで、果肉までおいしく食べられる梅シロップが作れたらいいのにな、と思ったことはありませんか?

わが家では毎年条件を変えて梅シロップを作っているのですが、ときどき梅がまったくしわにならず、果肉も食べることができる梅シロップが出来上がることがありました。

どうしたら安定して梅がしわしわにならない梅シロップを作れるのでしょうか?比較実験を行って条件を探り、その結果をまとめてみました。

※ 注意
もともと自分用に書き留めていたメモの内容をまとめているため、大雑把・あいまいな点も多く、実験内容も厳密さや正確さに欠ける可能性があります。ご留意ください。

まず簡単な結論から

長い記事になるため、先に簡単な結論をまとめると

梅がしわしわにならない梅シロップを作るには

  • 梅に穴をあける
  • 梅を冷凍する
  • 水(または酢)を加える

3つすべてを組み合わせると良い

と言うことが分かりました。

3つすべてというのがポイントで、少なくともこれまでの実験ではどれか一つでも欠けると梅がしわしわになってしまいました

また、水ではなく酢を加えた場合は

酢を加えた場合

  • 水を加えるよりも梅がやわらかなる
  • 酢の比率を上げるほど梅のやわらかさが増す

ということも分かりました。

記事の最後には成功例のレシピも掲載しています。ぜひこちらも参考にしてみてください(リンク:梅がしわしわにならない梅シロップの作り方)。

それでは、次の項目からさらに詳しく解説していきます。

なぜ梅はしわしわになる?

そもそも、なぜ梅シロップの梅はしわしわになるのでしょうか?

その理由は、砂糖をまぶすことで梅の水分が引き出されるためです。

砂糖をまぶすと、梅のまわりは糖度が高い状態になります。

すると、糖度の低い梅の内側から外側へ、水分が移動します。

その結果、水分が抜けた梅は縮んでしわしわになってしまうのです。

この時、梅の内側と外側の糖度の差が大きいほど、水分が移動する働きが強くなり、梅がしわしわになりやすいと言われています。

そのため梅がしわしわになるのを防ぐには、内側と外側の糖度の差を小さくすると良いと考えられます。

梅がしわしわにならない梅シロップのレシピは調べてもあまりヒットしなかったので、製法が似ている梅酒を参考にすると、梅のしわを防ぐには以下のような方法が効果的と言われています。

梅がしわしわになるのを防ぐとされる方法(梅酒の場合)

  • 砂糖の量を減らす
  • 氷砂糖を使う
  • 梅に穴をあける
  • 梅を冷凍する
  • 完熟梅を使用する

氷砂糖を使う
粒が大きいのでゆっくり溶ける
→ 梅の外側の糖度が急上昇するのを防ぐ

穴をあける・冷凍する
細胞壁が壊れて梅の内側に糖が入りやすくなる
→ 外側との糖度の差が小さくなる

完熟梅を使用する
熟すことで青梅より糖度が増す&細胞壁が緩んで糖が入りやすくなる
→ 外側との糖度の差が小さくなる

実験概要

前項で述べた梅のしわを防ぐ方法や、これまで作ってきた梅シロップのメモなどを参考に、実験では主に以下の効果を検証してみました。

試したこと

  1. 梅に穴をあける
  2. 梅を冷凍する
  3. 水を加える
    • [派生実験] 酢を加える

3.水を加えるについて

水を加えることでシロップの糖度を下げるのを試してみました。
ただし、そのまま水を加えると保存性の低下が懸念されるため、砂糖と水を火にかけて煮立たせ、完全に冷めてから梅を加えました。

また、派生実験として水ではなく酢を加えるのも試してみました。
酢には抗菌作用があり保存性が高いため、水とは異なり火にかける処理は行いませんでした。

梅を漬ける期間について

梅シロップは漬け始めて1~2ヶ月はしわが少なくても、さらに時間が経つと完全に水分が抜けてしわしわになることがあります。

そのため、できるだけ半年~1年ほどじっくり漬けて、安定してから梅の状態を観察をするようにしました。

結果

実験の回数が多いので、結果は一部を抜粋して紹介します。
全ての実験結果は記事の最後に記載しているので、こちらもご参照ください(リンク:実験一覧)。

まず「穴をあける」「梅を冷凍する」「水を加える」3つすべての条件を満たした実験の結果は、以下のようになりました。

「穴をあける」「冷凍する」「水を加える」を全て行った場合

実験番号 穴あけ 冷凍 加水 砂糖 結果
3-2 あり 冷凍 水21% きび砂糖65%
4-4 あり 冷凍 水26% きび砂糖70% 〇?
5 あり 冷凍 水35% 上白糖70%
6-2 あり 冷凍 水35% 上白糖70%

ほぼすべての実験で梅がしわしわにならず、果肉までおいしくいただくことができました。

3つの条件を組み合わせることで、かなり安定して梅のしわを防ぐことが出来るようです。

一方、単独条件、または2つの条件を組み合わせた実験では、以下のような結果になりました。

単独条件、または2つの条件を組み合わせた場合

実験番号 穴あけ 冷凍 加水 砂糖 結果
4-4 なし 冷凍 水26% きび砂糖
70%
×?
6-1 あり 水35% 上白糖
70%
×
1-2 あり 冷凍
完熟
なし グラニュー糖
80%
×
4-1 なし 水26% きび砂糖
70%
×
3-1 あり なし きび砂糖65% ×

実験1-2の「砂糖が溶けてから加えた梅」以外は、すべてしわになるという結果になりました。

「砂糖が溶けてから加えた梅」がしわにならなかったのは、先に漬けた梅の水分でシロップが薄まり、「水を加える」と同様の効果があったためと思われます。

まとめ

どれか一つでも欠けると梅にしわが寄るようになることから、「穴をあける」「梅を冷凍する」「水を加える」の3つの条件はいずれも梅のしわを防ぐ効果があると言えそうです。

しかし、ひとつひとつでは効果が不十分なようで、3つを合わせることでより安定して梅のしわを防ぐことができるようです。

ただし、今までの実験では「氷砂糖を使う」「完熟梅を使う」といった方法はほとんど試してきませんでした。また「水を加える」については、加える水の量によって効果の大きさが変わってくる可能性もあります。

そのため、これまでとは異なる条件下でも梅のしわを防ぐことはできるのかもしれません。今後もさらに検証を続けて行きたいと思います。

水ではなく酢を加えた場合

水ではなく酢を加えた場合は以下のような結果になりました。

酢を加えた場合

実験番号 穴あけ 冷凍 砂糖 結果
7-1 あり 穀物酢30% 上白糖70%
7-2 あり 冷凍 穀物酢30% 上白糖70%
7-3 あり 穀物酢100% 上白糖100%
7-4 あり 冷凍 穀物酢100% 上白糖100%

水の代わりに酢を入れた場合でも、「穴をあける」「冷凍する」と組み合わせることで完全にしわを防ぐことができました。

ただ、今回は「穴あけなし」の実験は行わなかったため、3つの条件全てをそろえないとしわを防げないのかは現時点では不明です。これについては、今後検証して行きたいと思います。

そして、お酢の作用なのでしょうか?
通常の梅シロップと比べて、酢を使用すると若干梅にしわがよりにくく、食感もやわらかくなるように感じました。

「実験7-1」と「実験7-3」の梅も、しわはよってしまったものの果肉はやわらかく、梅の実もおいしくいただくことができたため、結果は”△”としました。

「梅がしわしわにならない」という点では失敗ですが、「梅の実もおいしく食べられる」という観点では成功と言っても良いのではないでしょうか。

また、「実験7-3」と「実験7-4」の方が梅がよりやわらかく、トロトロとした食感に仕上がりました。
酢の比率が高い方が、より梅がやわらかくなるのかもしれません。

お酢入り梅シロップの味の感想

お酢を入れた梅シロップっておいしいの?と不安に思う方もいらっしゃるかもしれないので、参考までに味の感想も記述しておきます。

お酢30%

こちらは思っていたよりお酢の主張は強くなく、さりげない隠し味といった印象。
梅とお酢が調和していて、さっぱり感が強めの梅シロップとしておいしくいただけました。

お酢が加わったことで味の深みが増したようにも感じられ、個人的には普通の梅シロップよりこちらの方が好きかも?と思える味でした。

お酢100%

こちらは大分しっかりと酸味を感じられ、お酢がメインな味わい。
梅シロップというよりは、飲むお酢といった印象を受けるかもしれません。

ツンと酸味のきいた刺激的な味わいで、こちらもまた違った良さがありおいしくいただけました。とてもさっぱりとしていて、じめじめとした暑い日にぴったりです。
刺激が強めなので、冷水で割るだけでも若干炭酸飲料を飲んでいるような気持ちになれます。

ただ、30%と比べると酸味と酢の風味が強いので、お酢の味が苦手な方だと飲み辛さを感じることもあるかもしれません。

梅がしわしわにならない梅シロップの作り方(暫定)

最後に、今まで実験した中で、梅がしわしわにならなかった時の梅シロップの作り方を掲載します。

レシピとしてはまだ未完成&調整中のため、細かな条件の違いによってはうまく行かない場合もあるかもしれませんが、梅仕事の参考にしていただけたら幸いです。

基本の作り方

材料

作り方

  1. 梅を洗ってヘタを取る。
  2. 青梅の場合はアク抜きをする。
    鍋にたっぷりの水と青梅を入れて火にかけ、水が50~60度になったら水気を切る。これを3回くり返す。
  3. 梅の水気を拭きとり、フォークで穴をあける。
  4. 梅を冷凍する。
  5. 鍋に砂糖と水を入れて火にかけ、砂糖が溶けたら火を止めてそのまま完全に冷ます。
  6. 清潔な保存容器に④の冷凍梅、⑤のシロップを入れ、冷蔵庫で保存する。
  7. 2ヶ月以上たって梅に甘さがしみたら出来上がり。
    半年以上寝かせるとさらに味がなじんでおいしくなる。

水を加えているため通常の梅シロップよりも糖度が低く、保存性が低くなっています。
長期間保存する場合は冷蔵庫で保管してください。1年間は保存可能です。

酢を加える作り方

材料

作り方

  1. 梅を洗ってヘタを取る。
  2. 青梅の場合はアク抜きをする。
    鍋にたっぷりの水と青梅を入れて火にかけ、水が50~60度になったら水気を切る。これを3回くり返す。
  3. 梅の水気を拭きとり、フォークで穴をあける。
  4. 梅を冷凍する。
  5. 清潔な保存容器に④の冷凍梅、砂糖、お酢を入れ、直射日光を避けて常温で2ヶ月以上寝かせる。
    半年以上寝かせるとさらに味がなじんでおいしくなる。

実験一覧

備考

  • 記録が曖昧だった結果には”?”をつけています。
  • 基本は青梅を使用し、記載がある場合のみ完熟梅を使用しています。
  • 実験番号が同じものは、同じ年、同じ梅を使用して行った実験です。
  • 梅を複数回に分けて加えた実験は、結果を複数段に分けて記述しています。
    また、加えるタイミングによって梅の状態が異なる場合は、冷凍の項も複数段に分けて記述しています。
  • 水、酢、砂糖の量は、梅の重さを100%とした割合です。
実験番号 穴あけ 冷凍 加水 砂糖 結果
1 あり
完熟
なし グラニュー糖80% ×?
あり 冷凍
完熟
なし グラニュー糖80% ×?
〇?
2 なし なし きび砂糖80% ×
×
冷凍 ×
3 あり なし きび砂糖65% ×
冷凍 ×
あり 冷凍 水21% きび砂糖65% 〇?
4 なし 水26% きび砂糖70% ×?
なし 冷凍 水26% きび砂糖70% ×?
あり 水26% きび砂糖70% ×?
あり 冷凍 水26% きび砂糖70% 〇?
5 あり 冷凍 水35% 上白糖70%
6 あり 水35% 上白糖70% ×
あり 冷凍 水35% 上白糖70%
7 あり 穀物酢30% 上白糖70%
あり 冷凍 穀物酢30% 上白糖70%
あり 穀物酢100% 上白糖100%
あり 冷凍 穀物酢100% 上白糖100%

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