渋切りとは?効果や回数、タイミングについて
渋切りとは「小豆を茹でる際に、途中でゆで汁を捨てること」を言います。
茹で汁に流れ出た小豆の渋みや苦み(=アク)を取り除くのが目的で、渋切りを行うことで雑味がなく風味の良いあんこ・おしるこに仕上がります。
渋切りは絶対に必要?
渋切りは必須ではありませんが、した方が無難です。
一部の山菜などと違い、小豆のアクは食べられないほど強くはないため、渋切りをしなくてもあんこやおしるこを作ることは可能です。
ただしややクセのある仕上がりになるため、なんとなくヘンな味・嫌な味に感じる人もいるかと思います。
また、お餅・パン・フルーツ等々と組み合わせる場合は、 あんこのクセが強いとほかの食材の味を邪魔する可能性もあります。
誰にでも&何にでも合うあんこに仕上げるためには、渋切りはしておくと安心と言えるのではないでしょうか。
以前、渋切りありとなし2つのあんこの食べ比べを行ったので、こちらの記事も参考にしてみてください。
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渋切りは何回するべき?
渋切りは1~2回行うことが多いですが、回数に絶対的な正解はありません。
好み、表現したい味、豆自体の味などで最適な回数は変わり、多いほどすっきり上品な味になりますが、豆の風味も薄れていきます。
参考までに「つぶあん」のレシピ11点※の「渋切りの回数」を比較したところ、最も多かったのは「1回」でした。
※ 「全粒あん」のレシピを1点含む(ミキサー等で皮を細かくしたあんこのこと)
ただし渋切り以外にも、ゆで上がった豆のゆで汁を最後に捨てるか、捨てずにゆで汁ごとあんこにするか、レシピによって違いが見られました。
最後のゆで汁を捨てるのは一般的に渋切りとして数えませんが、この汁も小豆の成分を含んでいるので、捨てるor捨てないでは味が違ってきます。
そこで「最後のゆで汁を捨てるか」も比較してみました。
最後のゆで汁は「捨てる」レシピが多いようです。 ただし、ゆで汁の捨て方はレシピごとに異なり、ざるにあけるもの、布巾にあけるもの、ざるにあけてから水洗いするものなど様々でした。
また、ざるにはあけずに鍋をかたむけてゆで汁を捨てたり、ゆで汁の上澄みだけ捨てるなどしてゆで汁の「一部を捨てる」レシピも見られました。
渋切りのタイミングはいつ?
渋切りのタイミングにも絶対的な正解はありません。
様々な解釈があり、レシピによってタイミングはまちまちです。
参考までに先述のレシピのうち、渋切り回数が1回だったレシピ9点の「渋切りのタイミング」を比較してみました。
最も多かったのは「差し水しながら煮て豆が膨れたら」でした。 ただし、差し水の回数やタイミングなどの細かい点はレシピによって異なります。
次いで多いのが沸騰後5分、残りのタイミングはバラバラで、個性的な結果となりました。
また、「渋切り前に差し水をするか」もレシピによって分かれました。 これについても最初の11点のレシピで比較してみました。
差し水は行うレシピの方が多いようです。
ちなみに差し水には豆を軟らかくする、早く煮えるようにする、煮えムラをなくすなどの効果があると言われています。
参考レシピ一覧
例
- 掲載書籍orサイト名 / 著者orレシピ作者名(敬称略)
- 渋切り回数 – 1回目 – 2回目
- 渋切り前の差し水 – 最後のゆで汁
- 家庭で作る本格和菓子の教科書 / 梶山 浩司
- 1回 – 差し水をしながら煮て豆が膨れたら
- 2~3回 – 捨てる
- かんたん、かわいい! はじめての手づくり和菓子 (全粒あん)/ 安田 由佳子
- 1回 – 沸騰後5分
- しない – 捨てない
- 季節をつくるわたしの和菓子帳 / 金塚 晴子
- 2回 – 差し水して再沸騰後2~3分 – 差し水しながら煮て豆が膨れたら
- 1回(渋切り1回目)・沸騰するたび(渋切り2回目) – 捨てる
- 手づくりで贈る ほめられ和菓子 / 宇佐美桂子・高根幸子
- 1回 – 差し水しながら煮て豆が膨れたら
- 2回 – 一部を捨てる
- やさしく教える和菓子のきほん / 渡邊 好樹
- 1回 – 差し水しながら煮て豆が膨れたら
- 4~5回 – 一部を捨てる
- やさしく作れる本格和菓子 / 清 真知子
- 1回 – 差し水しながら煮て豆が膨れたら
- 1回 – 捨てる
- クックパッド / ゆきらいん
- 1回 – お湯からゆでて10分
- しない – 捨てる
- クラシル
- 1回 – 沸騰後5分
- しない – 捨てる
- cotta / きよみんーむぅ
- 1回 – 差し水して再沸騰後
- 1回 – 捨てる
- DELISH KITCHEN
- 1回 – 沸騰後15分
- しない – 捨てない
- レシピサイトNadia / がまざわ たかこ
- 2回 – 差し水して再沸騰後沸騰後1分 – 沸騰後差し水しながら15分
- 1回(渋切り1回目)・沸騰するたび(渋切り2回目) – 捨てる